交差点から東を望んだのが下の写真。左側が旧国道、右側が結城街道です。旧内原町で街道の雰囲気を残している区域も少なくなってきているそうです。
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十字路より東を望む |
結城街道 |
交差点の南西側に広場があります。もとは八坂神社の境内だったのでしょうか。
広場の一角には、「杉崎ふるさとコミュニティーセンター」。どこの「杉崎」でもみられた、杉崎公民館ですね。
そして、目に留まったのがプレハブ造りの「地蔵堂」の中に祭ってあるお地蔵さん。
路傍の石仏や野仏は、集落の入り口や四辻に多く建てられていて、村に疫病神が入るのを避けるものだと言われています。この地域も多くの種類のものが見られ、それが道路改修にともなって一ヶ所にまとめられたようです。
ここでも、お地蔵さんの他、庚申塔(1732年)や巡礼塔(1777年)、大乗妙典供養塔、馬頭観音などが見られますが、このように多様な石塔が多いのが当域(旧内原町)の特徴と言われています。
杉崎十字路付近の見学を終えて、さらに北へと向かうことにしました(写真右)。西は旧国道であることから、特に特徴のある街並みではありませんでしたが、北側は旧家が並んでいるようでした。
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交差点より西を望む。 |
交差点より北を望む。 |
その内の何軒かは、寺院の門を思わせるほどの規模。東海・近畿地方では、一般の民家ではほとんど目にしないほどの立派な門構えですね。
5、壱拾面観音菩薩堂
集落の西側に出ると、南北に通じる旧街道のような雰囲気の道に出てきました。その一角にあるのが、壱拾面観音菩薩堂。お堂の中の観音菩薩像の他、道路脇には多くの仏塔が置かれていました。
観音菩薩堂の中に、由来記がありましたので、紹介しておきます。
常州茨城郡杉崎村大坪の地は、昔時より交通至便政治の要地也。
旧阿弥院堂境内に村人の信仰厚き子安観音菩薩を本尊として、安永七年に創建す(230年前)。
近郷よりの参詣に法燈絶ゆることなく由緒深き観世音として幾多衆生の救済を施す。
戦後三十有余年創建当時の盛時を偲びここに有志一同供養再興す。
昭和56年10月10日 内原村 杉崎大坪 |
大坪というのは、この辺りの字のようですね。
杉崎集落の中心部を見学したあと、杉崎の端に位置する氏神様、八幡神社へと向かいました。中心部から西へ1km、旧国道に戻ってひたすら西へと歩きます。
中心地を抜けると、辺りは一面農地。旧国道の南側は水田が広がり、北側は麦畑が拡がっています。滋賀県の甲賀地域で見た光景を思い出しました。